プロジェクトマネージャーは、決してミスを犯さないのか。Vol.2

T.K
Neos Sapporo Developers Park バリュークリエイション部マネージャー

北海道千歳市出身。札幌のソフトウェア開発会社に就職後、東京へ赴任。エンジニアとしての経験を積み開発リーダーに。そのまま東京で約10年間の勤務を経て札幌に戻り、2015年ネオス株式会社に入社。主に法人向け自社プロダクトであるSMARTアドレス帳・SMART Message・SMART Message BOTの開発に従事、マネージャーとしてプロジェクトを牽引する。

エンジニア出身のマネージャー。

まず初めに、ネオスでの仕事内容についてお聞かせください。

現在は開発マネージャーとして、主に自社プロダクトであるSMARTアドレス帳・SMART Message・neoスマボ(旧:SMART Message BOT)の開発を行っています。所属しているバリュークリエイション部は、札幌だけでなく東京のメンバーも含まれている部署なので、機能こそ東京が企画・営業、札幌が開発と分かれていますが、日常的に連絡を取り合いどちらも一緒になって取り組んでいます。そのため東京に行くことも多く、東京のメンバーとは日頃から頻繁にやりとりをしています。

私の役割はマネージャーとしてスケジュールの管理やレビューを行ったりと、主にマネジメントの部分にあたります。以前はプログラムを自分が書くこともありましたが、今はメンバーに任せるようにしています。

札幌は経理や総務などを除いた、ほとんどの人間がエンジニア出身です。パートナー会社の方も含め、経験豊富な方が多く自分より年上の方も大勢います。最初は指示を出すことに戸惑う場面もありましたが、開発者同士なのでお互いに会話もしやすく、きちんと経緯を伝えれば良いコミュニケーションが取れると感じています。

企画を担当する東京と開発を担当する札幌の間で、認識のずれが生じることはありませんか?

お互い専門にしていることが異なるため、認識がずれることは当然あります。しかし、バリュークリエイション部では何年も東京と札幌で同じ部署としてやりとりを行っているので、開発にとって何が大変か、どのように進めるべきかのベースが出来ているように感じます。

私自身も開発と企画を繋ぐようなコミュニケーションを心がけているため、両者が分裂してしまうようなことはありません。私がエンジニア出身であるように、札幌では開発経験のある人がマネージャーになるので、開発側との理解の食い違いは比較的起こりにくい環境だと思います。

納得は前進のエンジン。

プロジェクトマネージャーとして、心がけていることはありますか?

とにかく話し合いの場を多く設けるようにしています。私自身、納得しないまま仕事を進めたくないですし、メンバーにもそういう思いはさせたくありません。良いものをつくるためにも、それぞれが感じている問題についてきちんと議論できる環境を用意することが大切だと思っています。

プロジェクトのメンバーとは、毎朝スタンディングでのミーティングを行います。昨日やったこと、今日やること、感じている問題点について一人一人話してもらい、進捗状況や問題点を確認します。更に誰も担当していない見落としている部分がないかといった面も確認します。また、毎月リリースを出すタイミングで行うミーティング内で、KPTという方法の振り返りを行います。そのフェーズでやって良かったこと(Keep)、問題があったこと(Problem)、次のフェーズで新しく取り組みたいこと(Try)をそれぞれに出してもらうのですが、問題点が浮き彫りになるだけでなくメンバー同士が話し合う場として、重要な役割を担っていると感じます。

話し合いの場を大切にするようになったきっかけはありますか?

前職で、インターネットサービスプロバイダーの業界にいたことが影響しているかもしれません。当時から、その業界は何よりもスピード重視で、物事が明確に決まっていない状態から動き出すことが当たり前でした。きちんとした企画書や設計書が出来上がる前に開発を始めるため、考えながらつくっていくということが企画側にも開発側にも求められていました。

きちんと話合わないまま進めてしまうと、認識齟齬が起きやすくなってしまいます。そういった場合に、最終的に手を動かさないといけなくなるのは、下流工程を手がけるエンジニアや評価メンバーです。早い段階でお互い意見をぶつけ合って、納得した上でしっかり進む方が最終的には楽だなと、私自身様々な失敗や経験を通して学びました。

そのため、私自身が開発のメンバーに変更をお願いする時はそのメリットデメリットを話し、その上でなぜこうなったのか経緯をきちんと話すようにしています。仕様変更など理由も告げられずに行われたら、手間が増える上に納得感もなくモチベーションが下がってしまいます。お互いがお互いの行動に責任を持つためにも、互いを知ろうとする努力、時には勉強したり、相手の立場を考えたりと相手に対する優しさを持つことが大切だと思います。

開発側のコミュニケーションについて、他の職種と異なると感じる点はありますか?

エンジニアはチャットなどのツールを使ってやりとりすることが多いです。それにはきちんと理由があって、それは記録が残るという点です。言った言わないがトラブルに繋がらないようにするため、発言に責任を持つため、その意味を理解している分、エンジニアは記録することを大切にしている人が多いと思います。

私もBacklogを使ってプロジェクトの管理を行っていますが、口頭で得た情報や決定を必ず記録に残すようにしています。営業の方と電話で話して決まったことも、書いておきますねと伝え自分で書いたり、後で残しておいてくださいと伝えたり、メンバー内で記録を残すことを習慣にしています。

東京というブランド。

札幌と東京で働くことに、違いは感じますか?

ネオスに関して言えば、本社が東京にあるため仕事内容の違いを感じることはありません。東京で営業を行っているため、大手の案件でも間に他社を挟まず手がけることが出来るので、札幌の開発会社の中では希少な環境だと思います。

私は東京で働いたこともネオスとは別の札幌の会社で働いたことも両方ありますが、同じ開発でも環境の違いを感じました。大手会社の開発案件はやはり東京の方が多いですし、新しい情報や技術の広がりも速いです。札幌で開発となると、どうしてもニアショア色が強く下請けや二次請けが多いので、クライアントやエンドユーザーとの距離が生まれてしまいがちです。経緯や変更に関する情報は降りてこない中で、手を動かさざるを得ないことも多く感じます。

それに比べて、ネオスは開発のメンバーが大手のキャリアさんと話す機会が普通にありますし、札幌以外に東京の仕事もメインで携わることができます。ネオス内では札幌と東京がフラットな関係ですので、札幌で働くことにデメリットを感じることはありません。

人にしか出来ないこと。

最後に、最近新しいと感じていることについて教えてください。

人とのコミュニケーションの形がどんどん新しくなっていると思います。SNSによってもの凄いスピードで情報が広がったり、行動範囲を超えた人との出会いがあったり、今までとは明らかに広がり方が違います。SNSは問題とされる面も抱えていますが、使い方を間違えなければ、より速く色んな人と関われるとても豊かなツールだと思っています。

また私はエンジニアなので、AIの分野が発達していることにも興味があります。チャットボットもAIを取り入れたツールですが、今後様々な場面で活用され、生活もどんどん変化していくと思います。
ただ、AIも最初の情報を与えないと仕組みは出来上がらないので、全くの新しい発想を元にするようなものは人間にしか作れないんだと感じます。
既にルールが設けられているものはだんだんとAIに敵わなくなっていますが、元々ルールが無かったり曖昧なものについてはまだまだ人間の方が捉える能力が高いと感じます。
会話等では、言葉の表現以外にニュアンスだったり表情だったりを総合的に読み取って成立しているものは多く、曖昧なものを捉えることが出来るのは人間ならではの能力です。プロジェクト管理も色んな人をまとめないといけないので、曖昧なものを汲み取れる力が大事だと思います。