私たちは1日にどれだけの質問をしているのか。営業から見るチャットボットの未来

d4264add7f065ebf16448b2be5da1021.jpgH.U バリュークリエイション部リーダー
2012年入社。ソリューション事業での営業を経てバリュークリエイション部に異動。neoスマボには開発時から営業として参加、リーダーとしてプロジェクトを牽引する
711ef3bbcab90ff98a86fc1cbabed5cd.jpgN.S バリュークリエイション部
2019年入社。前職では医療機器メーカーに勤め、営業職に従事。30歳を迎えたことを機に以前から関心のあったIT業界に転職。2019年7月からネオス株式会社バリュークリエイション部に所属。H.Uに続く専属営業を目指し、取材当時はOJT期間中。

派生する会話シナリオ

まずおふたりが営業を担当されている、neoスマボについて教えてください。

H.U我々はバリュークリエイション部といって、法人向けのクラウドサービスを開発・販売する部署に所属しています。neoスマボは、ご提供している商材のひとつで、チャットボットの機能を利用して業務の効率化を実現するサービスになります。

チャットボットサービスは国内だけでも60種類以上の製品が出回っており、各社それぞれの特徴を持っているのですが、弊社の最大の特徴は独自で開発した会話シナリオの自動生成エンジンにあります。チャットボットには大きく分けて2つのタイプがあり、ひとつは、aと言ったらbと返すというシナリオのパターンを作っていくタイプ、もうひとつはいわゆるAI型といって人工知能を組み込むことで学習をさせていくタイプです。
このシナリオのパターンを作る作業や、膨大な対話パターンを学ばせる作業は、担当者の負担となり結果的に挫折してしまう場合が多いのが現状です。

そこで我々が作ったのは、一文さえ入力すれば自動的に質問のパターンを生成してくれる独自のアルゴリズムエンジンです。例えば「勤怠管理システムにログイン出来ない」に対する答えを設定した場合、自動で「勤怠管理システムログイン方法」や「勤怠管理 入れない」といった質問の言い回しのパターンを作り、その答えと結びつけます。一文に込められている情報を元に、自動で会話パターンを生成するため、すでに会社にあるQ&Aを管理画面に入力すれば、派生するQ&Aを網羅してすぐにチャットボットとして機能させることが出来る仕組みです。
自動生成される会話パターンの精度の高さと、構築から実装までの立ち上げの速さが他にはないneoスマボの強みになります。

N.Sさんはこの取材の1ヶ月前に入社されたんですね、なぜネオスに来ようと思ったのですか?

N.S今まで医療機器のメーカーで営業をやってきたのですが、30歳を過ぎて新しいことにチャレンジしたいと考えていました。もともと先進的なITの分野に興味があったので、視野を広げて仕事を探しており、ご縁があってネオスにたどり着きました。

今までやられていた営業との違いはありますか?

N.S今までは有形商材を扱っていたのが、クラウドのサービスになって無形商材になったことが一番の違いだと思います。
医療機器の場合の多くは、既に完成されているものを試用していただいたうえで購入となるのですが、対してチャットボットは、お客様の状況やニーズに応じてイチから一緒に作っていくようなものなので、より正確なヒアリングが求められるなと感じています。
今はOJT期間なのでH.Uさんに付いて回り、下地がない分必死に吸収しているところです。

有形と無形

H.Uさんがチャットボットの営業で難しいと感じる点はどんなところですか?

H.Uチャットボットの営業で言えば、市場がまだ成熟していないことが営業の難しさに繋がっていると思います。そもそも「チャットボットって何?」から始まるお客様もいらっしゃるので、チャットボットに対する認識を広めることもひとつの仕事です。

また、チャットボットサービスは種類が多いので、それぞれに「これは出来るけどこれは出来ない」という差が生まれます。neoスマボも世に出ている全ての機能を搭載しているわけではないので、まず相手の抱えている課題を知りそれを解決するための提案を行わなくてはいけません。担当者の方も何が正解なのかわからない状況の中で、課題を聞き出し解決策を提案することが難しいと感じます。

相手がまだ意識していない、潜在的な課題はどのように聞き出すのですか?

H.U正直、それが悩ましいところです。心がけているのは、お客さんが自分自身で想像出来るように、あらゆる可能性をお伝えすることです。
「実際にこうやって使われています」という事例を伝える中で、担当者の方から「実はうちも〇〇が大変で、こういうことも出来ますか?」という発言が生まれると、少しずつ情報が出てきて全体像を把握する糸口になります。
先日も一度伺った会社に再訪問させていただいたところ、役員の方も出て来られて経営課題の話になりました。労働力確保の問題がある中で、業務の効率化に対する期待値は高まっており、単にチャットボット導入する、しないの話ではなく、経営課題を解決する手段として議論が行われたことが印象的でした。

ただ、現状では定量的な評価を数字で表すことは難しいと考えています。
よく「チャットボット導入で工数20%削減」などの謳い文句を見かけますが、明確な数字が出せるほどデータや実績が集まっているとは思えません。人一人削減とか○時間分の労働力を削減などと表現出来るとわかりやすいのですが、新しいサービスなだけにまだまだ未知な部分が多いのが現状です

この間企画の人間が言っていて面白かったのが、「分からないことが出てきた時、今までは、同期→ネット検索→上司→管理部門と、何人もの人を通して届いていた質問が、チャットボットの導入によって一発で答えに辿り着けるようになれば、人の工数は明らかに減っているよね」と。
確かに、ひとつの質問がいろんな人や時間を経て答えに辿り着いているとしたら、チャットボットによって削減出来る部分はかなり大きいと思いました。こうした普段意識しない部分が多いこともあって、我々は数字だけではなくチャットボットが持つ可能性について、丁寧に伝えていくことが大切だと思います。

正解が出ていない豊かさ

N.Sさんがチャットボットに関して感じている、面白さはどんなところですか?

N.Sneoスマボに限って言えば、毎月バージョンアップしているサービスなので取り組んでいて楽しいですし、まだ正解がないものに対して新しい試みを取り入れられることに面白さを感じています。
医療機器の営業では、既にお客様が持っているものに対して、「他の選択肢もありますよ」という売り方でしたが、今は商品価値をゼロから伝えて、欲しいと思ってもらわないといけません。そういった点で、お客さんが本当に困っていることを聞き出すことが出来ますし、会社としてどういったサポートや提案が出来るのか真剣に悩めることが面白いと思っています。

チーム全体の雰囲気はどうですか?

H.Uバリュークリエイション部はネオスの開発拠点である札幌と本社のある東京のメンバーで構成されていて、そこで改良に関する定期的な打ち合わせを行っています。物理的には離れていますが、お互いのオフィスにタブレットを設置していてボタンを押せばすぐに繋がるので、近い距離で一緒になって取り組んでいると感じています。

クラウドサービスは基本、商材の改良に終わりがありません。そのため、他社ではこんな機能があるとかお客様からこんな要望があったなどの情報を共有しながら、neoスマボの開発マネージャーである札幌のT.Kを中心に、取り入れる機能を決定し、組み立てた計画を元に実行しています。毎月バージョンアップを行なっていて、そのスピード感は流石だなと思います。

チャットボットの販売を始めた当初と今では、お客さまの反応などに違いがありますか?

H.U働き方改革という言葉が広まって、ここ1年くらいでどんどん注目が高まっていると思います。社内業務の効率化に繋がることが実際のデータを元にわかってきて、チャットボットのエンタメ寄りな面ではなく、使える技術としての面を真剣に聞いてくれる担当の方が増えてきたように感じます。

neoスマボは“BtoE”領域と言われる社内利用の実績が高く、戦略的にもそうしているところがあるのですが、独自に開発したエンジンが社内利用とすごく相性が良いんです。
的確に答えて情報を素早く出すという点に特化して作られたエンジンなので、社内利用で情報を蓄積してからコンシューマー向けに移行することも可能です。
今も実際に社内利用から外へを目標にチャットボットを取り入れているお客様もいるので、今後もエンタメの要素ではなく機能としての面を特化させていければと考えています。

ドラえもんの世界へ

今後、挑戦していきたい領域はありますか?

N.S今はneoスマボに対するモチベーションがとても高いです。市場が成熟していない点や働き方改革が叫ばれている今の情勢を見ても、チャットボットに可能性を感じています。入社1ヶ月で今は学んでいる最中ですが、ゆくゆくは自分が提案したneoスマボによって生産性の向上や業務効率化に貢献することが出来ると考えています。

H.U今のneoスマボで目標を達成した上での話になりますが、ネオスは開発技術のある会社なのでこのボットの機能を活かしてもっといろんなことをやってみたいと思っています。ある技術交流会でエンジニアの方が、チャットボットは将来的にはドラえもんのような時間や場所を選ばずに必要なものを提供することが出来るサービスにもなり得ますと言っていたことに大きな可能性感じました
確かにシステム連携さえ出来ていれば、本当に様々なことが可能なので、より夢のある領域に踏み込んでいければいいなと思っています。

どんどん進化していくことに対しては、ポジティブな印象ですか?

H.U私はどんどん進化していった方がいいと思っています。より便利になるだろうし、自分が便利だと感じたものは他の人もそう思うはずなので、より多くの人に使っていただけるサービスになるはずです。
チャットボットの業界自体も、チャットボットが廃れないように認知度を高めていこうという動きがあるので、その流れに乗って面白いことに取り組んでいきたいです。

最後に、そんなおふたりが新しいと感じているものは何ですか?

H.U新しいと感じてもすぐ古くなるので難しいですね。これすごいと思って調べてみると、意外と自分が知らなかっただけで他にもいくらでもあったりするので新しいって自分の中でとても曖昧です。
ネオスは昔から要素技術のレベルで新しいものを作るのが好きな会社だと思うので、小さな誰も知らない新体験みたいなものからサービスを作っていけたら面白いと思います。

N.S昔と比べてという意味合いで感じることは多々あります。2歳の子がいるのですが、周りの子含め普通にスマホがいじれるんです。私が小さい時と比べれば驚きの日常です。
将来、そういった子たちがどんな時代を作っていくのかとても楽しみです。ただ、私自身は他の領域に目を向けている余裕もないので、とにかく自分が感じているチャットボットへの可能性を、より多くの人に伝えていけるように準備していきたいと思います。